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編集チームより
結婚や出産といったライフステージの変化が多い、30代の歯科衛生士。それを機に退職してしまうケースも少なくありませんが、子育てと両立しながら長く活躍できる歯科医院も存在します。その特徴と、医院選びのポイントについてまとめてみました。すべての歯科衛生士が長く仕事を続けられる、女性のための体制づくりにこだわる熊本の歯科医院グループ「徳治会」監修の下、深掘りしていきます。
医療法人社団徳治会は熊本にある歯科医院グループです。「自らと周りへの貢献」という企業理念をもとに、すべてのパートナー(所属スタッフ)にとって働きやすい環境・体制づくりを徹底しています。
日本歯科衛生士会が行った「歯科衛生士の勤務実態調査報告書(令和2年度)によると、勤務先の変更経験を持つ歯科衛生士は全体の76.4%。その理由としてもっとも多いのが結婚で29.3%、経営者との人間関係が29.0%、出産・育児が28.7%となっています。
結婚をキッカケに、歯科衛生士という仕事から離れる人は少なくありません。歯科衛生士は結婚しても続けやすい仕事のひとつですが、結婚を機に居住地が変わる、結婚相手やその家族の意向、といった理由で退職するケースがあるようです。
フルタイム勤務ではなく、時短勤務やパートであれば働けるといった状況もありますが、歯科医院側がそれに対応していない場合は退職という形になることもあります。
妊娠を機に、離職する歯科衛生士も多くなっています。歯科衛生士は基本的に立ったり座ったりと動き回る仕事であり、体への負担は大きめ。つわりや体調不良などで、これまで通りに働けなくなるケースが見られます。
体調に合わせて勤務時間を変える、休暇を取るといった体制が整っていれば産休に入るギリギリまで働くこともできますが、スタッフ数が少ない医院ではチームメイトに迷惑をかけてしまうことも…。思うように働けないストレスや、職場に迷惑をかけてしまうという後ろめたさから、退職を決める人もいるようです。
産休・育休の取得は労働基準法に定められており、雇用形態を問わず、誰もが行使できる権利です。
しかし、制度として産休・育休が設けられているにもかかわらず、産休・育休を取得できない歯科医院も存在します。育休・産休について申し出たところ、他のスタッフから嫌な顔をされた、やんわり退職を勧められた、といった報告も聞かれます。
歯科診療では、患者の血液・唾液・飛沫などに触れる頻度が多く、少なからず感染リスクがあります。とくに妊娠中は使用できる薬剤などが限られてくるため、感染には人一倍気をつけなければなりません。
もちろん、診療の際にはスタンダード・プリコーションの徹底が基本ですが、それでも不安を感じ、職を離れる人もいるようです。
産休とは産前産後休暇の略称で、労働基準法65条に定められた働く女性が有する権利。正社員のみならず、派遣社員・パートといったすべての雇用形態に適用されます。産休は出産予定日の6週間前(多胎の場合は14週間)、産後は8週間の休みが認められます。
育休とは育児休業の略称で、育児・介護休業法に定められています。1歳未満の子どもを養育するための制度となっており、男女問わず取得することができます。
女性が産休から継続して育休を取得する場合は、出産日から起算して58日目から育児休業がスタート。子どもが1歳になった日の前日までが期限となります。
誰もが取得する権利を持つ産休・育休ですが、これを取得しやすい歯科医院とはどのような環境なのでしょうか。以下に特徴を挙げてみます。
制度として法律で決められており、誰でも利用できる産休・育休ですが、歯科医院によって取得のしやすさは変わってきます。院長によっては、育休・産休を取得させるつもりがないケースもあるため、制度の有無ではなく取得実績に注目するとよいでしょう。
すでに育休・産休を取得しているスタッフがいる場合、制度を利用しやすい環境であると考えられます。 少人数で運営している歯科医院よりも、規模が大きく人員も充実している医療法人のほうが取得しやすい傾向にあるようです。
育児をしながら働いている、または育児経験を持つ歯科衛生士が在籍している場合、育休・産休に対する理解度が高いと考えられます。
妊娠中や産後は、自身の体調の変化や子どもの病気などでサポートが必要となる場面が多くなりますが、育児経験を持つ先輩がいれば的確な支援やアドバイスが期待できるでしょう。
スタッフ数の多い歯科医院であれば、産休・育休による人手不足をフォローしやすくなります。
スタッフ数が充実していれば、1人が休暇を取っても残りの人数で十分にフォローができるため、産休・育休はもちろん、ワークスタイルの変化にも柔軟に対応してもらえるでしょう。
さまざまな都合に合わせて柔軟に働き方を選べる歯科医院は、産休・育休を取りやすいと言えるでしょう。たとえば、妊娠中や産後は体調に合わせて時短勤務ができる、育児が落ち着くまではパートや契約社員といった形で勤務し、落ち着いたら正社員として復帰する、といったスタイルです。
結婚や出産・育児で一時的に歯科衛生士という仕事から離れ、ブランクのある人でも積極的に受け入れている歯科医院は、産休・育休も取りやすい傾向があります。
こういった歯科医院は、ブランクがある人向けの研修・勉強会といったサポートが充実しているため、休暇明けの復帰もしやすいと言えるでしょう。
「自分を大事にできる環境・体制づくり」にこだわる歯科医院では、歯科衛生士のスキルアップやキャリア形成のためどのような取り組みをしているのか。医療法人社団徳治会にて自らも歯科衛生士ながら、キャリアアドバイザーとして活躍する廣瀬さんにお話を伺いました。
出産を理由に歯科衛生士のキャリアを
あきらめなくていい環境づくり
医療法人社団 徳治会は、3つの歯科医院をグループ内に持つ医療法人。平成21年8月に、財団法人21世紀職業財団熊本事務所長から「職場風土改革促進事業実施事業主」の指定を受けており、社員が仕事と育児を両立しながらその能力を十分に発揮できる、そんな環境づくりに取り組んでいます。
徳治会グループはスタッフ数が多いため産休・育休を取得しやすく、復帰後のフォローも充実しています。子育て中のパートスタッフは、子どもの体調不良などで休みになった場合でも対応しやすいよう、正社員のサブ的なポジションに配置。急に休みとなった場合でも、職場に迷惑をかけにくくなっています。
また、勤務年数1年以上で3歳に満たない子を養育する正社員であり、育休後に職場復帰をした人は時短勤務も可能。出社時間・退社時間も、希望を優先しています。パート勤務の場合は、午前のみ・午後のみの半日勤務といった、ライフスタイルに合わせた働き方も可能です。
子育て経験を持つスタッフも多く、産休・育休への理解度も深いため、徳治会では勤続年数の長い職場を実現。妊娠や出産を理由に歯科衛生士というキャリアをあきらめなくて良い、そんな環境が整っています。
子育てをしながら歯科衛生士として働く北口さん。徳治会の「雰囲気のよさ」に助けられることが多いそうです。どのようなことを「やりがい」と感じ、何に取り組んでいらっしゃるのか、インタビューしました。
歯科衛生士を目指したきっかけは、高校時代にあった職業紹介でした。そのころはあまり将来の夢を考えてこなくて、父が理容師なことから理容師になろうかな…くらいの気持ちでした。ただ医療に関係する職業に興味があったことから歯科衛生士の仕事が目に留まり、仕事の内容も楽しそうだなーって興味を持ちました。歯の型取りとか、面白そうじゃないですか(笑)そこから専門学校の存在を知って、進学しました。ですのできっかけ自体はすごく些細なものだったと思います。
以前はユニットが3台の小さな個人経営の歯科医院で働いていました。新しい歯科医院だったのでキレイでスタッフ同士の仲もよくて、とても雰囲気がよかった。ですが結婚を機に引っ越ししたことで通勤に車で1時間半ほどかかることになってしまい、やっぱり大変で退職をしました。ですので単純に「自宅から近い、通勤がしやすいところ」が第一条件ではあったんです。
その条件に当てはまった歯科医院を5~6件ほど見学させていただきました。どのような機器が導入されているか、スタッフ同士の雰囲気はどうか、福利厚生は整っているか、産休や育休は取れるのかなど。転職をするからには妥協をしたくなかったので、条件はかなりシビアに見ていたと思います。
様々な歯科医院を探していた中で出会った徳治会ですが、自分の希望条件に合っていた歯科印の中でも、掲げている治療方針や治療内容、理事長・院長の経歴や資格などから「しっかりしているな」という印象を受けました。結婚直後でしたので今後の出産・育児のことも重視していましたが、そのあたりもHPに明記されていて好印象でした。
実際に見学へ伺い、歯科医院としての雰囲気がすごくいいと感じました。自分では結構人見知りなところもあると思っていまして。スタッフ同士の人間関係だけじゃなくて、実は来院される患者さんの雰囲気なども見させていただきました。もちろんスタッフの対応にもよると思いますが、来院される方がみなさん穏やかで優しそう。そういう方が多い地域というのもありますし、みなさんこの歯科医院に信頼してくださっているんだろうなという印象です。
患者さんに安心していただける歯科診療を自信を持って提供できそうだと考え、最終的に徳治会を選びました。
以前勤めていた歯科医院とは所属するスタッフの人数からユニットの数まで規模が全く違うので、やっぱり初めは戸惑いました。対応する範囲が広くなったことから、本当についていけるだろうかという心配があり。でも先輩たちが本当に優しく、悩んでいる私にたくさんのアドバイスをしてくれて、ついていくことができました。
自分自身でも以前よりもコツコツ勉強をするようになったと思います。今日対応させていただいた患者さんの症例を改めて調べてみる、歯科雑誌を購読するなど、予習・復習を繰り返すことで少しでもついていけるようになりたかったですし、いまも自然と続けている習慣です。
徳治会で働く年数が経つにつれ、だんだんと患者さんにも顔を覚えていただくようになりました。あるとき口腔ケアが終わった患者さんから「あなたじゃなきゃダメなのよ」「今日も気持ちよかったわ」と言っていただけた嬉しさは忘れられないです。ただの歯科衛生士ではなく、私という人間を頼りにしてくださっている。本当にありがたいことです。
患者さんとのコミュニケーションといいますか、患者さんと信頼関係が構築されていくのが感じられるのが「やりがい」になっています。私はやはりカウンセリングにも力を入れていきたいと考えていますので、一人ひとりの患者さんへ寄り添った提案ができるよう、少しでも新しい知識が得るために勉強を続けています。それが患者さんに伝わったんだなと思える瞬間が、私にとっての「やりがい」です。
なんといっても子育てをしながらでも歯科衛生士の仕事を諦めなくていい環境が、私にとっての「働きやすさ」です。
私は入職して3年目と6年目に産休・育休を取得しています。そもそも入社の際の面談でも出産や育児を大切にしたいということは伝えていて、徳治会はそれに賛同をしてくれたんです。だからこそ実際に妊娠をした際の相談もしやすかったですし、すぐに産休・育休の日程を調整していただけました。1人目のときはかなりつわりが大変で、結局産休を3ヵ月取得しています。体調に合わせて柔軟に対応していただけたことには感謝しかありません。
復帰してからも子どもが病気になることも多く、なかなか出勤できないことが続きました。そういうときでも柔軟に対応をしていただきました。いまも17時までの時短勤務なのですが、最初は16時まで、次は16時半まで…のように慣らしながら復帰できたのもありがたかったです。産休・育休が取得できるというだけでなく、画一的ではない対応をしてもらえるからこそ、子育ても歯科衛生士も諦めないでいられるのだと思います。
キャリアアドバイスについて、そもそもどんな目標を立てればいいのかわかっていない部分が大きかったのですが、その部分から一緒に考えていただけたのがよかったです。結果として後輩の指導と自分の成長の両方にそれぞれ目標を持って取り組むことになりました。時短で働かせてもらっている分、日々の業務時間はどうしてもバタバタしがちですが、その中でいかに目標のための取り組みをしていくか、楽しみながら頑張っています。
いま後輩と一緒に治療計画を立てたりとか、進捗状況を確認したりだとか、そういった作業に力を入れています。その中でお互いによかった点や反省すべき点がたくさん出てきていますので、よかったところは伸ばしながらも、反省点を積極的に改善してきたいと思っています。
また子どもの体調が安定しないこともあり、なかなか着手できていないのですが、やっぱり患者さんのカウンセリングに力を入れたいという気持ちがあります。いまはどうしても子育てが最優先ですが、少し手離れをしたときにはすぐに取り組めるように、上司などにも相談をしている状況です。やっぱり自分自身が幸せじゃないと、患者さんにも幸せをお届けできない。だからこそまずは自分自身が健康で元気で幸せありたいと思っています。
徳治会は幅広い年齢のスタッフさんが所属しています。60代70代の方や、出産や子育てで長いブランクがあった方、私のように現在子育て意中の方まで多種多様です。そういう方でもそれぞれに合わせて活躍できる場をしっかり提供してくれているというのが、徳治会の何よりの魅力です。年齢が、ブランクが、環境が…と悩む歯科衛生士さんは、ぜひ一度相談をしてみてほしいなと思っています。
医療法人社団徳治会は熊本にある歯科医院グループです。「自らと周りへの貢献」という企業理念をもとに、すべてのパートナー(所属スタッフ)にとって働きやすい環境・体制づくりを徹底しています。