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編集チームより
歯科衛生士として勤務し、3年目くらいになると、何らかの理由で転職を考える歯科衛生士が多くなります。ここでは、歯科衛生士の転職にスポットライトを当て、より良いキャリアを築くためのヒントをご紹介していきます。すべての歯科衛生士が長く仕事を続けられる、女性のための体制づくりにこだわる熊本の歯科医院グループ「徳治会」監修の下、深掘りしていきます。
医療法人社団徳治会は熊本にある歯科医院グループです。「自らと周りへの貢献」という企業理念をもとに、すべてのパートナー(所属スタッフ)にとって働きやすい環境・体制づくりを徹底しています。
歯科衛生士として3~5年ほど従事し、仕事にも慣れた頃に頭をよぎるのがキャリアアップ。年代としては、20代後半であるケースが多いようです。
具体的なデータを見てみましょう。公益財団法人 日本歯科衛生士会が行った「歯科衛生士の勤務実態調査 報告書(令和2年度)によると、勤務先を変わった経験が「1 回ある」「2 回ある」「3 回ある」「4 回以上ある」と答えた人の合計は 76.4%。つまり、会員の約8割が転職を経験しています。
転職経験を持つ人の中で、もっとも多かった回数は1回で21.4%。次に多いのが4回以上で19.6%、2回の人が17.8%、3回の人は17.6%という結果です。
次に、その理由を見てみましょう。転職の理由を全体で見た場合、「結婚」が 29.3%、「経営者との人間関係」が 29.0%、「出産・育児」が 28.7%、「給与・待遇の面」が22.3%、「勤務形態・勤務時間」が 19.5%。さらに、「仕事内容のレベルアップのため」に転職している人は15.9%という結果でした。
次に、歯科衛生士の転職理由について深掘りしてみましょう。
結婚・出産を機に転職や離職を考える理由としては、職場に結婚・出産後も働けるような環境がないことが挙げられます。
産休・育休を取得できない、職場の理解がない、時短勤務に切り替えられないといった環境では歯科衛生士を続けることが難しくなり、転職・離職を余儀なくされるケースが見られます。
歯科医院のほとんどは個人経営となっており、規模にもよりますが少人数で経営している医院が多め。歯科医師・歯科衛生士・その他スタッフとの距離感が近く、関係によっては多大なストレスを抱えかねません。
とくに経営者との関係がうまく構築できないと、待遇やキャリアプランについての相談もしづらく、転職を考えるという人が多いようです。
給与や待遇への不満は仕事へのモチベーションも関わるため、転職・離職の大きな原因となり得ます。
公益財団法人 日本歯科衛生士会の調査によると、常勤で働く歯科衛生士の年収でもっとも多いゾーンは300 万円以上 400万円未満。次に多いのが200万円以上300 万円未満となっています。
専門職でありながら昇給もままならない環境ではモチベーションが上がらず、給与・待遇の向上を求めて転職をするケースが多いようです。
仕事を通して歯科衛生士としてなかなかスキルアップができない、といった不満も転職の理由として挙げられます。
受付や雑務に追われて歯科衛生士本来の業務を全うできない、スキルアップの体制が整っていない、といった環境で将来に不安を感じ、転職を考えだす人も少なくありません。
歯科衛生士が転職先を探す場合、どのような点に注目しているのでしょうか。一般的な情報をまとめてみました。
転職を考える歯科衛生士が重視するポイントとして、上位に来るのが給与・賞与です。歯科衛生士としてやりたい仕事に従事できたとしても、給与や賞与がそれに見合わなければ、やはり不満につながります。
また、プロとしてのモチベーションを維持するためにも、給与・賞与の条件は譲れないという人が多いようです。
歯科衛生士として長く活躍するには、院内の人間関係が円満であることが重要です。
どんなに実績豊富で優秀な歯科医師・衛生士が在籍していても、価値観・考え方・方針・人柄が合わなければ勤務は難しくなってきます。そのため、人間関係については重視するポイントのひとつと言えるでしょう。
福利厚生がどれだけ充実しているかも、チェックポイントのひとつです。年間休日数や有給休暇の日数、休日出勤の有無については要確認。
とくに有給休暇については、制度として設けられているだけでなく、どれだけ消化されているかについても見ておくことが大切です。また、産休や育休の取得率についても、しっかりチェックしておくべきでしょう。
給与や福利厚生といった一般的な職場選びの基準も重要ですが、歯科衛生士が転職をする場合、「なぜ転職することを決めたのか」という理由と経緯を大切にすべきです。
「もっと歯科衛生士としてスキルアップしたい」「キャリアアップを踏まえて仕事をしたい」という理由で転職を決めたのに、給与や休日だけで転職先を決めてしまっては意味がないでしょう。
認定歯科衛生士の取得サポートや研修は充実していても、キャリアアップに向けたサポートが充実していない歯科医院では、結局不満が募って再び転職するという堂々巡りに陥りかねません。
歯科衛生士として長く活躍するためには、福利厚生が整っているだけではなく、資格取得のサポートなど、キャリア形成へのサポートがしっかり受けられる医院を選ぶべき。
そのためには、個人医院という小規模な組織よりも、企業としてしっかりと体制が整っている医療法人を選択肢に入れることをおすすめします。
「自分を大事にできる環境・体制づくり」にこだわる歯科医院では、歯科衛生士のスキルアップやキャリア形成のためどのような取り組みをしているのか。医療法人社団徳治会にて自らも歯科衛生士ながら、キャリアアドバイザーとして活躍する廣瀬さんにお話を伺いました。
女性のライフスタイルの変化に
合わせたサポートを提供
医療法人社団 徳治会では、「自らと周りへの貢献」という企業理念のもとで歯科診療に取り組んでいます。
女性が多く勤務する歯科医院という職場環境を踏まえ、「独身の時代」「結婚して子育てが始まる世代」「夫婦二人になったときの世代」「介護をする世代」「介護される世代」というライフスタイルの変化に合わせたサポートを提供。
その中で独身の世代~結婚して子育てが始まる世代に該当する、20代後半へのサポートには以下のようなものが挙げられます。
院内はもちろん、外部の研修にも参加可能です。医院での勉強会をはじめ、外部の研修・セミナーについては参加費用も補助しています。また、年に1~2回はさまざまな分野のプロフェッショナルを呼び、講演会を実施。仕事をしながら、幅広い学びが実現する環境です。
個人の経験値・能力・勤務体系などに合わせたOJTプログラムを作成し、担当歯科衛生士が指導。徳治会には勤続年数10年以上のベテラン衛生士が多く、安心して学ぶことができます。
徳治会グループの3院(徳治会歯科医院宇城・徳治会歯科医院八代・徳治会歯科医院合志)で、3ヶ月に1回QM活動発表会を実施しています。それぞれの医院の部門ごとの代表が、これまでに行った取り組み・活動内容などを発表することで情報を共有。徳治会全体の質を高めると共に、学びを深められる場となっています。
希望者には、歯科衛生士認定資格取得の指導も行っています。取得を支援している資格は、インプラント専門歯科衛生士、歯周病認定歯科衛生士、ケアマネージャー、第2種滅菌技工認定など。キャリアアップのプランに合わせて、スキルを磨くことができます。
過去のご自身の経験から、歯科の訪問診療へ真剣に取り組む寺薗さん。訪問診療への想いや、これからどんな取り組みをしていきたいのかなど、インタビューに応えていただきました。
私には老人施設に入居している曾祖母がいました。とてもかわいがってもらって大好きな曾祖母でしたが、高校生くらいのころでしょうか、口臭が気になるようになってしまい。まだ若かったこともあり、だんだんと近寄りがたいと思うようになり…。あんなに面倒をみてくれていた曾祖母にそういう気持ちを抱いてしまうのが申し訳ないですし、もっと口の中をキレイにしてあげられたらいいのにと考えたのが、きっかけでした。
まだ歯科衛生士という職業は知らなかったのですが、母に相談したところ「こういう仕事もあるよ」と教えてもらい、高校を卒業後は専門学校へ通いました。残念ながら祖母は高校3年生のころに亡くなってしまい、口腔ケアをしてあげられなかったのは残念ですが、訪問診療などでたくさんのご年配の方のケアをできるようになったことに感謝しています。
徳治会に転職するまでに3院ほど経験しています。ひとつ前は天草にある訪問診療を行う歯科医院で、雰囲気もよかったんです。夫の転勤の関係で転職をすることになりましたが、やはり訪問診療に力を入れている歯科医院を選びたいと考えていました。
外来診療ですとやっぱり元気な患者さんが多いのですが、施設や病院で診療を受けたいと考えている患者さんはより切実で。ご本人だけでなくそのご家族や周りの方にも安心をお届けすることが、やはり私の歯科衛生士としての目標だと思っていますので。
徳治会を知ったのは、引っ越し先の近くで訪問診療に力をいれている歯科医院を探していたときでした。公式HPを見て、訪問診療に今後より力を入れていきたいと考えていることを知り、興味を持ったのがきっかけです。他にも訪問診療をしている歯科医院はありましたが、どうしても外来診療が中心というか、訪問診療が片手間になっているところが多く。徳治会のように歯科医師も衛生士もしっかりと人数を投入して、なおかつ指導体制が整っている歯科医院はどうしても限られているのが現状だと思います。
あと、HPには他にも現場で働く方々の声が掲載されていましたが、どれを読んでも「楽しそうだな」と(笑)どの方も生き生きと仕事をされているのが伝わってきて、ここで働きたいと感じました。
ひとつ前に勤めていた歯科医院の訪問診療では歯科衛生士は口腔ケアだけを担当している状況でした。記入もカルテではなく口腔ケア専用の用紙のようなものだったんです。ですが徳治会の訪問診療の歯科衛生士は、本当になんでもしている。もちろん歯科医師の治療領域は対応しませんが、それ以外の治療方針の確認やカルテへの記入、施設とのやりとりまで歯科衛生士が主導でしていることに驚きました。今まで自分が提供してきた訪問診療とは根本的に違いましたので。最初は「私にそこまでできるか」と心配でしたが、歯科医師と歯科衛生士が対等の立ち位置というか、治療を提供するパートナーとしてお互いの意見を尊重し合える環境にはやりがいを感じました。
その環境についていくために、自ずと勉強をするようになりました。今はYouTubeなどでも口腔ケアの動画がありますし、歯科医師会のHPや歯科治療に関する書籍からも譲歩を得られますので、そういったものを積極的に活用することで、適切な提案ができることが増えたのが嬉しかったです。
入社してすぐは、以前の歯科医院とはまったく違う環境で戸惑いもありました。先輩たちに迷惑をかけないように…と考えていましたが、あるとき勇気をもってわからないことを質問してみたんです。そうしたら質問した内容の答え以上のことを、どんどんたくさん教えてくださって。質問をした先輩以外からも教えていただけて、もっと早くに質問をしていればと後悔しました。
今だからわかったことなんですが、基本的に押しつけがましくないというか、望まれていないのに自らガンガン行くようなことがない方が多いんですよね。でもそのぶん、求められれば惜しみなく丁寧に対応をしてくださる。その雰囲気がとてもいいなと思いつつ、どんどん自分から行かないと!と意識転換するきっかけにもなりました。
繰り返しになりますが徳治会は訪問診療へ本当に力を入れているので、様々な施設や病院へ行く機会がもらえています。そこにはいろんな疾患を持った患者さんがいらっしゃる。身体に大きな障害を持っている方や、上手く話すことができない方など、外来診療では出会えない方ばかりです。そういった患者さま一人ひとりに合わせて口腔ケアや治療を提供していくことは、やはり大きな「やりがい」ですし、自分自身の成長実感にも繋がります。これは徳治会ではないと経験できなかったと思います。
入職してから体調を崩してしまった時期があるのですが、休みを取得する際にみなさんから「大丈夫だよ」と声をかけていただけました。入職してすぐだったこともあり申し訳なく思っていたのですが、みなさん温かく対応をしてくださって。徳治会という所属人数の多い歯科医院だからこそという以上に、所属している方々の優しさが「働きやすさ」の根底にあると思っています。
私はまだキャリアアドバイスの面談は経験していませんが、3ヵ月ごとの目標を設定してそれをクリアするためにどうするか、どれくらいの達成値になっているのかなどを相談する機会があります。たとえば訪問件数を増やすことを目標に動いたときなど、達成をしたことで給与を上げていただけたのが嬉しかったです。 今は訪問診療の利用者さんにできるだけ口腔ケアを継続していただけるよう、ご本人やそのご家族に定期的な診療の大切さを伝える努力をしています。
ブラッシングを中心とした口腔ケアはもちろんですが、それだけでなく患者さんが不自由に感じている部分のリハビリにもなるようなケアを提供したいと考えています。例えば麻痺のある方は顔が動かないため、ご飯を口の中にため込みやすいといったことがあります。それぞれのお悩みに合わせて適切なリハビリを提供することで、私の曾祖母のような状態になる方を一人でも減らしていきたいです。
また個人的な目標ですが、徳治会にはかなり上の年代、それこそ70代の歯科衛生士さんまで所属しています。それでも現役として精力的に活動されている姿に憧れますし、自分もそのように歯科衛生士として長く活躍できるような人になりたいです。そのためには日々勉強ですね。
明るく前向きな歯科衛生士さんと一緒に働きたいと思っています。訪問診療で出会う利用者さんは、ご自宅にいるにしろ施設や病院にいるにしろ、どこかしら寂しさを抱えている方が多いです。そういった方に口腔ケアを通じて繋がりを持ち、気持ちまで晴れやかに、元気をあげられるような訪問診療を一緒に提供できれば嬉しいです。
医療法人社団徳治会は熊本にある歯科医院グループです。「自らと周りへの貢献」という企業理念をもとに、すべてのパートナー(所属スタッフ)にとって働きやすい環境・体制づくりを徹底しています。